なるだけ、自分の携帯から発信したくない…自宅の家電話から発信したい…ということで、ちょっと以下のような「Asteriskによる無課金コールバックシステム」を作ってみました。
条件として、以下のような環境が必要です。
・050番号 ・NTTひかり電話 または、 ・050番号その1 ・050番号その2 といった環境です。 (ようは、外部に発信できるSIP registerが2つあればということです。) 以下の説明は、050番号その1とその2の方法で書いてみます。
通話のながれ
(1)携帯→050番号その1に電話→ビジーで通話が切れる
(2)050番号その1から携帯に着信→応答すると、IVRメニューに接続される
(3)IVRからAsterisk内にある内線電話を呼んだり、050番号その2を経由して外部に電話をする
{extensions.conf} [fromiptel1] exten => ${IPTEL1},1,System(echo "${CALLERIDNUM}"|perl /var/bin/ipout.pl& ) exten => ${IPTEL1},2,busyこのエクステンションで(1)の動作をします。ようは、かかってきた番号だけをスクリプトに渡し、あとは着信せずビジーにします。こうすることで課金が発生しません。
[callbackmenu] exten => s,1,SetVar(CNT=1) exten => s,2,Ringing exten => s,3,Wait,1 exten => s,4,Answer exten => s,5,Wait,1 exten => s,6,Background(vm-enter-num-to-call) exten => s,7,WaitExten(10) exten => s,8,GotoIf($[${CNT} >= 3]?11:9) exten => s,9,SetVar(CNT=$[${CNT} + 1]) exten => s,10,Goto(s,6) exten => s,11,playback(tt-monkeysintro) exten => s,12,Hangup exten => s,13,Congestion include => ipout2 include => inner exten => i,1,Wait(1) exten => i,2,GotoIf($[${CNT} >= 3]?6:3) exten => i,3,SetVar(CNT=$[${CNT} + 1]) exten => i,4,Playback(pbx-invalid) exten => i,5,Goto(s,7) exten => i,6,playback(tt-monkeysintro) exten => i,7.Hangup exten => i,8,Congestionここまでで(2)のIVRを行います。
[ipout2] exten => _0.,1,SetCallerId,050xxxx1234 exten => _0.,2,Dial(SIP/${EXTEN}@iptel2,60,r) exten => _0.,3,Congestionここで(3)の動作となり、050番号その2で発信します。
自動発信について、Asteriskは、 /var/spool/asterisk/outgoing/ 内に以下のようなフォーマットのテキストを入れることで、自動発信を行います。
# Channel: SIP/200 Callerid: 100 MaxRetries: 1 RetryTime: 60 WaitTime: 30 Set: LANGUAGE()=jp Context: default Extension: 201 Priority: 1
この内容で、Asteriskから内線200を呼び、extensionsのdefault→201,1を実行します。
(CallerIDが100にしてあるので、内線200には100から電話がきた、ということになります。)
そこで、今回の「かかってきた番号に対して、コールバックする」という仕組みを考えた場合、以下のような単純なスクリプトが出来ると思います。(ベタなPerlで作成しました…。)
{/var/bin/ipout.pl} #!/usr/local/bin/perl #コールバックを受け付ける携帯のセット。複数ある場合は|で区切る。 $callphone = '080ABCD1234|090ABCD1234|0901234ABCD'; $time = time; #asterisk setting $file = '/var/spool/asterisk/outgoing/ipcall.' . $time; $callno = ; $callerid = '050xxxx1234'; #IP電話その2の番号 $retry = '1'; $rtime = '10'; $wtime = '20'; $context = 'callbackmenu'; $ext = 's'; $pr = '1'; #callno check. if($callno !~ /^[0-9]+$/){exit 1;} #電話番号に数字以外のものがあれば終了 if($callno !~ /$callphone/ ){exit 1;} #コールバックを受け付ける電話番号以外なら終了 #Time Wait... sleep 10; #File Write. open(OUTFILE, ">$file"); print OUTFILE '#' . "\n"; print OUTFILE "Channel: SIP/iptel2/$callno\n"; print OUTFILE "Callerid: $callerid\n"; print OUTFILE "MaxRetries: $retry\n"; print OUTFILE "RetryTime: $rtime\n"; print OUTFILE "WaitTime: $wtime\n"; print OUTFILE "Set: LANGUAGE()=jp\n"; print OUTFILE "Context: $context\n"; print OUTFILE "Extension: $ext\n"; print OUTFILE "Priority: $pr\n"; close(OUTFILE);
一応イタズラ防止のため、$callphone にセットされていない電話番号にはコールバックしない、等の安全措置を入れてあります。
いろいろと遊べるかもしれませんね…。